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大学院生募集!【狂犬病国際疫学研究】

活動報告
掲載日:2018/05/19

 狂犬病は日本では1957年に撲滅されましたが、毎年世界で5万9千人もの命を奪っている人獣共通感染症です。

 この度蒔田教授が代表で、日本学術振興会(JSPS)二国間交流事業「南アフリカで1997-2017年に発生した動物および人狂犬病の時空間解析」が採択され、2018-2019年度の二年間、OIE(国際獣疫事務局)狂犬病レファレンス・ラボラトリーである南アフリカ共和国農業研究機構オンデシュテポート獣医学研究所と共同研究を実施します。

 このプロジェクトは、過去20年間南アフリカ共和国に蓄積された人、飼育動物、野生動物の発生情報をもとに空間解析を行うことによって、狂犬病の発生・拡大の引き金になる生態学的条件、野生動物・飼育動物の双方向スピルオーバーの確率と様式を理解しようとするものです。特に、オンデシュテポート獣医学研究所の実施する過去のウイルス株のシークエンシングによりウイルス進化の感染様式への影響も観察します。これにより、より効率的な狂犬病対策を国際機関や狂犬病常在国に提案出来る可能性があります。

 2018年度は(大学院秋入学もウェルカムです!!)疫学・生態学の教員と獣医学生が研究を進め、大学院生は2019年度から引き継ぎます。当ユニットには過去の日本の狂犬病発生記録が多く保存されていますので、募集する大学院生にはこれについても取り組んでもらいたいと考えています。

 獣医疫学ユニットでは、2014年より大学院にて獣医疫学者を育成しており、2018年3月に初めて3名の博士号取得者が誕生しました。日本(注1)とベトナムの狂犬病研究に従事した門脇先生は農林水産省に就職し、タンザニアのブルセラ病について研究した浅倉先生は国際家畜研究所(ILRI)エチオピア事務所で現在研究しており、8月からは環境省に就職します。またベトナムのシン先生は、ベトナム初の医学部で働く獣医師としてハノイ公衆衛生大学に就職しています。

 今回の研究予算からは大学院生の生活費を支給出来ませんが、大学のティーチングアシスタントを務めることが出来る他、JSPS特別研究員への応募を積極的にサポートします。

 あなたも、世界の狂犬病撲滅に貢献しませんか!?興味のある方は、お気軽に御連絡ください。(早めにどんどん御相談ください!)
(蒔田浩平教授(獣医疫学)・酪農学園大学OIE食の安全ジョイントコラボレーティングセンター長 kmakita@rakuno.ac.jp)

注1:毎日新聞「狂犬病注射、適切な方法は」
https://mainichi.jp/articles/20180510/ddm/013/040/008000c